マナーについて考える vol.1 – ある日ランチにお蕎麦やさんで
2019.09.02

マナーについて考える vol.1
先日あるお蕎麦やさんにて、旦那さんとお昼を食べていた時のこと。そこは近所のお蕎麦やさんで、なかなか美味しいお蕎麦を出してくれるお店です。
お隣に30代前後のカップルが座りました。何気なく会話をしていたら、突然、お隣の女性が、テーブルの上の小さな薬味入れを床に落としてしまったのです。
どうやら陶器に入った七味入れのようです。ガッシャーンと音を立てて、私の足元の横に陶器の破片と七味が飛び散りました。
まずい沈黙が一瞬漂った後、お店の方が、大丈夫ですよー、そのままで結構ですよーと。そしたらその女性、何事も無かったかのように、会話に戻ったのです。私も旦那さんも目を疑いました。
普通、こういうとき、お店の人にすみません、、、と謝り、その状態をどうにかしようと思いません?お店のものを壊してしまったのですから。
更に、その方は隣の私たちにも、何も言いませんでした。私の足元に七味入れが散ったのです。普通、すみません、大丈夫ですか?と言うと思います。
いえいえ、この世の中、普通という言葉はもう使えないのです。普通が普通でないんだなと、思いました。
さてここで、マナーについて考えてみます。
質問です。
西洋の食事で、フォークをテーブルから落としてしまった時、
あなたは拾いますか?そのままにしますか?
正解は、拾わない。
マナーのルールとして正しいのは、拾わない。お店の人に拾ってもらいます。もちろん、すみませんやありがとうの一言は添えましょう。
では、和食のお店の場合は。はい、この場合でも自分で拾わず、お店の方にお願いします。
今回のお蕎麦やさんのケースでは、女性が拾わなかったこと自体は問題がないのです。問題なのは、お店のものを壊してしまったのに、丁寧な謝罪がなかったこと。そして隣席の人への配慮が無かったことです。
洋食でも和食でも、何を落としてしまったら、自分では拾わない。でも隣の人への配慮は絶対に必要です。そして何かを割ってしまったら、お店の人にも謝りましょう。
お蕎麦やさんでこの方は何故、何事もなかったようにできたのか。
まず考えられるのは、お店のものに対して、それが店主が大切に集めた道具かもしれないと気づけなかったから。そして、隣席の私たちは、自分たちとは関わりの無い人間だから。
これって、少し寂しくないですか?
お店のモノに関して、ファミレスではそこまで気を使う必要は無いかもしれません。でも世の中には、チェーン店でなく、店主がこだわって色々揃えたこだわりのお店もあるのです。
そういうお店も大事にしたい。隣の人も大事にしたい。
この心がマナーなのかな。マナーはしきたりではなく、思いやり。
文化が簡素化している時代、生活の中心にスマホがある時代。お蕎麦やさんでのこの様なことは、思いやりがある人も無意識に取ってしまう行動なのかもしれない。
自分も気をつけなくちゃいけない。
モノにも人にも思いやりを持って接すると、もっと人に大事にされるようになる。
マナーについて一緒に考えませんか?マナーには答えはありません。マナーについて考えると日常がもっと愛おしく、楽しくなと思うのです。
ちなみに写真のお蕎麦やさんは、今日お話ししたお店とは違うお店です。長野にある大好きなお店です。